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なぜ国は、自立支援(介護)をおしすすめるのか vol.2

国際医療福祉大学大学院 小平めぐみ
日本自立支援介護・パワーリハ学会は、自立支援介護とは、
「補完する介護ではなく、自立を支援する介護」と定義しています(※1)。
人間は身体、精神、社会の3つの要素から成り立っているという事実があります。
高齢者は、病気やケガ、あるいは認知症によって、その身体的な自立が危うくなったことから、さらに精神的、社会的な自立にも影響を与え要介護状態に陥ったといえます。
そのため高齢者のADL(日常動作)をもう1回自立できるように戻し、生活を整えることで、QOL(生活の質)を向上させ、IADL(手段的日常動作)という、買い物、 調理などの生活関連動作をも自立していこうというのが自立支援介護です。

 
ここで、自立性を取り戻した86歳女性Aさんの事例をみてみましょう。
【事例】
自宅で脳梗塞で倒れているところを発見され、入院となりました。入院中は食事が食べられなくなり1か月後には胃ろう造設(口から食事が食べられないため胃に直接栄養剤を流す)となりました。2か月後に治療は終わり退院となりますが、ベッド上で寝たきりの生活になってしまいました。ご家族は自宅で介護することができずに1か月間ショートスティを利用し、特別養護老人ホーム(以下特養)に入所となりました。
 
特養に入居されたときは、要介護5、右不全麻痺あり、リクライニング車椅子を使用し、おむつ着用、歩行はもちろんできない状態でした。意思疎通もできません。
すべてのADLは全介助となっていました(表1アセスメントの一部)。

さあ、自立支援介護が始まります。アセスメントの一部をみてみましょう。

自立支援介護のアセスメントは、自立性の回復を目的にした専用のものです。そのため、対象者の状態像と利用者の持っている能力をアセスメントし、現在の課題を抽出します。さらにその課題を解決するための介護計画を作成します。あとは、実践あるのみです。
 
表1:特養入所時のアセスメント

図1をみてみましょう。水分摂取量の増加、運動の継続で覚醒状態が向上しました。
しっかり普通の椅子で座位姿勢がとれています。座ることが可能となれば、自らの手を伸ばし、自らのタイミングで食事を食べる動作につながります。
また、口から食べられるようになるためには、義歯の調整が必要です。さらに、覚醒状態が向上すれば、尿意や便意の獲得へとつながります。
約半年後に、Aさんは自分で大好きな天丼を召し上がることができ、シルバーカーで連続183m歩行することができています。もちろんおむつははずれ、自分の足で好きな時にトイレへ向かっています。
要介護度は、要介護5から要介護3へ改善しています。
ADLのみならず、自分の好きなお友達と自由に交流され、外出にも出かけています。施設の生活ではありますが、Aさんは自己決定・自己選択を実現しています。
身体的な自立を目指すことで、精神的・社会的な自立をも可能にしているといえるでしょう。

図1:Aさんの入所から半年後のケア(※2)
次回は、実践のための知識についてご紹介していきます。

引用・参考文献
※1)日本自立支援介護・パワーリハ学会 https://jsfrc-powerreha.jp/care-for-independent-living/
※2)事例提供 特別養護老人ホーム海光苑 本事例は『「アジア健康構想」について―自立支援介護等の海外展開と期待―』で使用されたものです。お写真の掲載は、施設様からご了承いただいております
 ◀ Vol.1 自立支援介護がもっとも成果を出している 

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